ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相(Sergey Lavrov)は今週、イランの指導者らと会談するためテヘランを訪れた。米国とイスラエルによるイランへの戦争が始まって以来、ラブロフ氏のイター訪問は初めてとなる。イラン側は、米国の圧力が続く限りワシントンとの交渉には戻らないとしている。2,3,1
2月下旬に激化したこの戦争は、ほぼ8カ月に及んでいるが、明確な終結の見通しは立っていない。オマーンは米国とイランの仲介役を務めており、パキスタンも6月に署名された「イスラマバード覚書」を含め、役割を果たしてきた。ラブロフ氏の訪問は、湾岸諸国がイランによる自国領土や航路への攻撃を抑えるよう、モスクワに影響力の行使を求めている中で行われた。1,4
訪問の日程については報道に食い違いがある。ブライトバートは、ラブロフ氏が月曜にテヘランに滞在し、イランのアッバス・アラグチ外相およびマスード・ペゼシュキアン大統領と「緊張緩和の措置」について協議したと報じた。CBSニュースは、ペゼシュキアン氏が火曜にテヘランでラブロフ氏と会談したと伝えている。4,1
ブライトバートによると、ラブロフ氏はイランに向かう前にバーレーンで湾岸協力会議(GCC)の外相らと会談した。GCC事務局長のジャセム・アル=ブダイワィ(Jasem al-Budaiwi)氏は、イエメンを拠点とするイラン支援の武装勢力フーシ派(Houthis)を厳しく批判した。フーシ派はドローンやミサイルを使い、サウジアラビアの民間空港やエネルギー施設を攻撃してきた。GCCの閣僚らは、ロシアに対し、近隣諸国への攻撃を止めるようテヘランに圧力をかける「積極的な役割を果たす」よう求めた。4
ラブロフ氏は、ロシアがGCCとの貿易や外交関係を重視していると約束して応じた。ただし、ロシアのイランへの影響力を行使するとは述べなかった。また、この地域の現在の困難について、米国とイスラエルによるイランへの「不当な侵略行為」に責任があるとした。テヘランに向かう前、同氏はロシアの基本方針を説明した。「我々の構想は、湾岸の沿岸国と、イラクやヨルダンなどの近隣国との間で直接対話を促進する条件を整えるために特別に設計されている」と述べた。4
ペゼシュキアン氏は火曜、パキスタン陸軍参謀総長のアシム・ムニール元帥(Field Marshal Asim Munir)と会談した。イラン政府の公式X(旧ツイッター)アカウントに掲載された会談の概要によると、ペゼシュキアン氏は、ムニール氏に対し「米国の好戦主義が、ホルムズ海峡の混乱を含む地域の緊張の背後にある」と述べ、また、米国は交渉の前に「圧力、脅迫、制裁を解除しなければならない」と語ったという。1
米国は過去1カ月間、「経済的追放作戦(Operation Economic Outcast)」と名付けた取り組みの下で制裁を強化しており、トランプ大統領は、戦争を終わらせる主要な戦略は経済的圧力になったと述べている。CBSニュースは、イランが示した条件を米国が受け入れる可能性は低いと指摘した。トランプ氏は大統領執務室で「ご存じのとおり、我々はイランに対してうまくやっている」と語った。さらに「どちらの方法で勝ちたいかを最終的に決めなければならない。良い方法で勝つか、良くない方法で勝つか。だが我々はうまくやっている」と述べた。1
トランプ氏はロシアの役割についても言及している。同氏は最近、モスクワに対し一部の石油制裁の適用除外を認め、ロシア産ディーゼル燃料の輸入協定に署名した。日曜にトゥルース・ソーシャルへの投稿で、同氏は「ロシアは、できることに比べてイラン・イスラム共和国を支援するためにほとんど何もしていないし、そうであってほしい」と書いた。CBSニュースは、イランがロシアとの関係を称賛していると伝え、両国は強力な同盟国になったと述べた。ラブロフ氏は、10月2日に正式に始まったイランとの20年間の戦略的パートナーシップへの取り組みをロシアは維持しており、今後の攻撃からイランを守ると約束したと述べている。4,1
イランの当局者は、米国による再度の空爆の可能性についても語った。日曜に議会で承認されたメフルダード・ケタブチ国防相は、米国が新たな攻撃で最も強力な通常弾頭である「大規模爆風爆弾(Mother of All Bombs)」を使用した場合、イランは対応する準備があると述べた。「この想定に対する必要な措置は講じており、我々は落ち着いている」と同氏は語った。アラグチ外相は「前回、お前たちは『仕事を終わらせる』つもりだったが、イランはむしろ強くなって立ち上がった。もう一度運試しをしたいか?どうぞ。だが気をつけろ。我々にも未完の仕事がある」と書き込んだ。日曜には、革命防衛隊の顧問であるモハマド・レザー・ナクディ准将が、イランは「我が国のミサイルの父」を準備したと述べ、米国とイスラエルに対して配備できる新たな超兵器を持っていると主張した。4
中東アナリストのニキータ・スマギン氏は、アルジャジーラに対し、ロシアの湾岸君主国とイランへの訪問の時期は「意図的なシグナル」であり、モスクワは「これらすべての国々と、おおむね対等な条件で関係を築いている」ことを示すものだと語った。スマギン氏は、紛争が激化すれば他の中東諸国との関係が損なわれるため、ロシアはおそらく紛争の激化を望んでいないが、中東産の原油製品が市場から失われたことでロシアの石油販売と利益が伸びているため、紛争が早期に終結することには積極的ではないかもしれないと述べた。4
報道では、ラブロフ氏のテヘランでの会談で合意に至ったという記述はなく、イランと米国が協議に戻るかどうかもまだ分かっていない。ラブロフ氏は今後も地域での外交を続ける見込みだ。イラン側の交渉に関する立場は変わらず、ワシントンはまず圧力、脅迫、制裁を解除しなければならないとしている。2,3,4